昨日SNSで見かけた「インフルエンザと解熱剤の話」
臨床検査技師の学校に通っていた時にも聞いたことがあったんですが、詳しい理由を知りません。
折角なので調べてみました。(いい時代だね~)
夏休みの自由研究の一環程度ですので、ゆる~い気持ちでご覧ください。
絵はイメージ図ですので、細かいことはご了承ください。
痛みや炎症は体内で作られるプロスタグランジンが過剰に作られたときに起こるものです。
プロスタグランジンは子宮を収縮させて生理痛を起こさせたり、血管を広げて頭痛を起こさせる悪いやつかと思いきや、胃粘膜を保護するという役割もあり、良いやつでもあるのです。
「鎮痛剤を飲むと胃が荒れる」というのは、鎮痛剤がプロスタグランジンの生成を抑えることで胃粘膜保護作用も弱くなってしまうからなんですね。
だから鎮痛剤は空腹時ではなく、必ず食後に飲んでください。
胃の中が空っぽの状態で薬を飲むと胃壁に薬が直接ふれて胃壁が障害を受けてしまいます。その上鎮痛剤は胃粘膜が保護されないわけですから、痛みを感じることがあるのですね。
さてさて、痛み止め(鎮痛剤)って何でしょうね。
古代のローマ人や中国人はヤナギに痛みを抑える効果があることを経験的に知りました。
ヤナギの中の鎮痛成分、サリシンが抽出されたのが19世紀になってから、それが後のアスピリンになります。
鎮痛成分にはいろいろあります。
ほかにもありましたけど、主なものを・・・。
ちなみに小児科で処方されるカロナールは、アセトアミノフェンが主成分です。
インフルエンザにかかると高熱が出ますが、これはウイルスが意地悪をしているわけではなく、逆に熱に弱いウイルスをやっつけるために人間の体が起こす免疫反応です。
だから熱を無理に下げないほうが良いといいますね。体の中の免疫機能が頑張っている最中なんです。
でも子供が何日もグッタリしているのは可哀想で見ていられないですよね。
しかし、解熱剤を簡単に飲ませてはいけません。
インフルエンザ脳症やライ症候群を発症する恐れがあるからです。お子さんは体が小さいので特に要注意です。
過去にこういう事があったんですね。怖いですね。
巷にはいろいろな鎮痛剤がありますが、なんでも良いわけではないのですね。
お子さんや妊婦さんは特に、薬の事は医師や薬剤師さんに相談しましょう。
例えばみなさんご存知のバファリン。
名前によって主成分が違うんです。バファリンというのは薬のブランドの名前なんですね~。
知名度が高いですから、いろいろな商品にバファリンという名前が使われています。
そしてこういうケース、他の薬にも多いと思うんです。
「いま、家にあるやつでいいよね?」ってお子さんや妊婦さんに飲ませないで下さい。
ちゃんと成分表や薬の説明書を読んでくださいね。
持病のある方、他の薬を飲んでいる方も自己判断で市販薬を飲まないようにしましょう。
インフルエンザと解熱剤の話、案外深かったな~。